Wildkatze

オブジェクト指向による高度なカスタマイズに対応
ユーザー独自のアルゴリズムでCFDの頂点へ

Wildkatzeは、有限体積法による汎用3次元流体解析プログラムです。 従来の流体解析ソフトウェアは、ソルバの高度なカスタマイズが非常に複雑でしたが、Wildkatzeでは、 ソルバ内部のほぼ全ての変数と設定へのアクセスをユーザー自身によるC++ コーディングにより可能にしました。 これにより、柔軟で高度なカスタマイズ性が実現され、ユーザー独自のアルゴリズムを容易に組み込むことが可能になりました。 さらに、分割された領域ごとに異なる物理モデルを設定することが可能なので、その物理モデルごとに異なるスキームを適用し、より多様な解析によって現象再現性が高まります。

主要機能

物理モデルの柔軟な適用

通常、流れ場は様々な物理現象が混在しており、一つの物理モデルで捕らえることは困難です。Wildkatzeでは、解析領域を分割し、 異なる物理モデルを適用することが可能です。例えば、ある領域でLESモデルを使用し、別の領域ではK-Omega乱流モデルを使用することが可能です。

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スキームの柔軟な適用

通常、タイムステップスキームや、勾配計算スキームを選択した場合、 シミュレーション全てに対して、同じスキームが適用されます。Wildkatzeでは、物理モデルごとに異なるタイムステップスキームや、勾配計算スキームをそれぞれ選択することが可能です。

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有限体積法を用いたカスタマイズ

Wildkatzeでは、ユーザー自身によるC++コーディング により、ソルバ内部のほぼ全ての変数と設定へのアクセスが可能です。非常に柔軟なカスタマイズ性により、お客様は先進的な研究をするための独自のモデルをWildkatzeへ簡易に組み込むことが可能です。

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Immersed Boundary法

Wildkatzeでは、運動する構造体に伴う流れの解析を行う場合、構造体と周囲の流体に対して異なるメッシュを生成します。構造体の運動が流体に及ぼす影響は、流体メッシュ間をカップリングして計算を行うので、解析時に発生するメッシュのつぶれによる解の発散を防ぎます。

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検証

回転ブレードの流れ

回転しているブレード内に流入した流れを MRF (Moving Reference Frame) モデルを用いて解析しています。MRFモデルは、 回転を伴うシミュレーションに用いられ、異なる運動をするいくつかの領域ごとに異なる座標系を定義して計算する手法です。 回転数10,000 [RPM] における定常計算を行った結果では、結果が収束するまでに要した反復回数と質量流量の関係が他の商用ソルバと比較しても同等の結果が確認できています。

速度コンター
速度コンター
反復回数と質量流量の関係
反復回数と質量流量の関係

カスタマイズ例

浅水方程式の適用

2次元の浅水方程式に対して、ソルバをカスタマイズし、 津波のシミュレーション(水・その他非圧縮性流体の波伝播モデル)を行っています。浅水方程式は、水深に比べて波長が十分に長く、水平流速は水深に依存しないといった前提条件を適用しています。

解析結果

水面から高さ1[m]、幅0.2[m] の水柱を初期界面とし、その後発生する波の形状を解析します。時間経過ごとの結果を見ると、波が壁に当たり反射して干渉する様子が再現されています。

\begin{align} \frac{\partial h}{\partial t} + \frac{\partial (uh)}{\partial x} + \frac{\partial (vh)}{\partial y} = 0 \end{align} \begin{align} \frac{\partial (uh)}{\partial t} + \frac{\partial (u^2h + \frac{1}{2}gh^2)}{\partial x} + \frac{\partial (uvh)}{\partial y} = 0 \end{align} \begin{align} \frac{\partial (vh)}{\partial t} + \frac{\partial (uvh)}{\partial x} + \frac{\partial (v^2h + \frac{1}{2}gh^2)}{\partial y} = 0 \end{align}

t:時間 x,y:2次元座標 h:水面の高さ、または水深 u,v:水平速度 g:重力加速度

t=0[s]
t=0[s]
t=0.1[s]
t=0.1[s]
t=0.5[s]
t=0.5[s]
t=1.0[s]
t=1.0[s]
t=5.0[s]
t=5.0[s]

適用事例

自転車周りの空気流れ

時速30km で走行する自転車周辺の空気流れをシミュレーションしています。

モデル:Immersed Boundary法

(回転するタイヤ)

メッシュ メッシュ
RAE 2822翼周りの圧縮性音速流れ

RAE 2822 翼周りの圧縮性音速流れを2次元で解析しています。

モデル:RANS 乱流Spalart Allmaras

主流マッハ数:0.73

迎角:2.79

温度場 圧力場
ダム決壊

初期位置から水が流れ出し、障害物にぶつかり、はね上がる様子をシミュレーションしています。

モデル:陽的VOF 法

クーラン数:0.1

初期水 0.64秒後

モデリング機能

乱流モデル RANSモデル K-Epsilon
K-Omega
Spalart-Allmaras
LESモデル Smagorinsky
動的 Smagorinsky
運動エネルギー輸送方程式
混相モデル VOFモデル 風上スキーム
CICSAMスキーム
HRICスキーム
HRIC-U2スキーム
HRIC-THINCスキーム
代数ドリフトフラックスモデル
自然対流 ブジネクス圧縮
表面張力モデル CSSモデル
CSFモデル
Immersed Boundary
重力モデル
フラクショナル流れモデル
反応流
剛体
エネルギーモデル
圧縮性流れモデル
熱解析
反応樹脂流動
粘性項解法 陰解法/陽解法
圧縮補正法 運動方程式の係数スキーム
体積力荷重スキーム
対流項の離散化 1次精度風上法
2次精度風上法
CUBISTA(3次精度)
境界中心スキーム
壁面距離モデル

VOFスキームの比較

気泡上昇のシミュレーションを行い、体積分率ごとに各スキームの結果を比較しています。HRIC (High Resolution Interface Capturing)スキームは、境界風下・風上スキームを組み合わせており、 風下スキームの圧縮特性と風上スキームの安定性をもっています。 改良型のHRIC であるHRIC-U2 とHRIC-THINC は、気液界面がシャープに表現されています。

体積分率 Upwind CICSAM HRIC HRIC-U2 HRIC-THINC
0-1 体積分立0~1Upwind 体積分立0~1CICISAM 体積分立0~1HRIC 体積分立0~1HRIC-U2 体積分立0~1HRIC-THINK
0-0.1 体積分立0~0.1Upwind. 体積分立0~0.1CICSAM 体積分立0~0.1HRIC 体積分立0~0.1HRIC-U2 体積分立0~0.1HRIC-THINC
0-0.01 体積分立0~0.01Upwind 体積分立0~0.01CICSAM 体積分立0~0.01HRIC 体積分立0~0.01HRIC-U2 体積分立0~0.01HRIC-THINC

動作環境

OS: Red Hat Enterprise Linux, CentOS, Ubuntu
 GCC7.3, Open MPI1.10.3, Vtk7.1.1 をインストールする必要があります。

導入の流れ

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お客様のニーズに応じて、Wildkatzeを用いた流体解析の受託サービスや、物理モデルのカスタマイズ、専門エンジニアの派遣を行います。